それぞれの地域によってサッカーにも違いがありますし、リーグとしての特徴があります。ヨーロッパとアメリカの違いを知るにあたり、少し補足しておかないといけないことがあります。ヨーロッパといっても広くいろんなリーグがあります。そのなかでも4大リーグと呼ばれている、ドイツ、スペイン、イングランド、イタリアで活躍する選手はトッププレイヤーが多いです。
一方アメリカはというと、そのトッププレイヤーが第2の選手としてのキャリアとして選ぶ地になっていることが多いです。4大リーグで特に強いクラブで活躍した選手ほど、引退する前のプレーする地としてアメリカを選ぶケースが多くなっており、それはこの国のサッカーの質を上げることに貢献しています。やはり経験した選手になりますので、そうすることで刺激を受けてリーグ自体も強くなる特徴を持っています。
ヨーロッパとの違いとして明らかに実力差がありますが、それでも長期的にみたとき、サッカーとしての経験値を与えることは大きな財産となっています。特にトッププレイヤーがその国のリーグにいるというのは、そこでプレーする選手たちを刺激することになるでしょう。それがリーグの実力を高め、最終的に代表も強くなる好循環が生まれています。
日本サッカー 1873年説が有力
現在行われているサッカーの発祥地は、イングランドだと言われています。サッカーの原点となるスポーツは、上流階級の子弟が通うパブリックスクールで行われていたボール遊びでした。ルールは、学校やクラブによって異なっていたのです。
1860年代の前半に、フットボールの試合のルールが統一され、調整されるようになります。1863年に、ロンドンとその近郊のフットボールクラブの代表者が集まり、共通ルールを決め、協会を設立します。これがヨーロッパサッカーの始まりです。
日本にサッカーが入ってきたのは、1873年説が定説となっています。イギリスの海軍教官団の少佐が来日し、日本の海軍軍人にフットボールを教えたと伝えられています。その後、東京の高等師範学校にフットボール部ができ、日本全国に広まっていったのです。
1936年のベルリンオリンピックでは、日本代表が優勝候補だったスウェーデン代表に勝利し、ベルリンの奇跡と呼ばれます。さらに、1968年のメキシコシティオリンピックでは、銅メダルを獲得しています。1993年にJリーグが創設されたことで、日本でもサッカーに興味を持つ人が増えます。現在は、選手のレベルも上がり、ドイツのブンデスリーガなどヨーロッパの人気リーグで活躍する日本選手が増えています。
個人技よりもパスを回すサッカースタイル
サッカーチームにはパスを多用してボールをつなぐチームプレイを得意とするものと個人プレイを中心に戦略を組み立てるものがあります。サッカー王国と呼ばれる南米ブラジルのチームなどでは個々の選手が高い技量を持っており、個人プレイを重視しているとされます。一方日本のサッカーチームはパスでボールをつなぐチームプレイが特徴です。ヨーロッパのサッカーチームにはパスを中心の試合運びを行うものだけでなく、個人プレイとのバランスを重視したものが存在します。
イタリアやイングランド、フランスのチームはロングパスを多用しチームプレイが得意とされます。同じヨーロッパ内でもスペインやドイツ、オランダのチームはチームプレイと個人プレイの両方を重視擦る傾向があります。ヨーロッパには様々なチームが存在し、戦術はその日によって変化します。また選手たちは個人的技量も非常に優れています。そのため各チームにおけるチームプレイと個人プレイの関係は相対的です。
パスを多用してボールをつなぐ戦術は必ずしも選手の技量不足をカバーするためのものではありません。個人的な技量が優れ華やかな個人プレイができる選手が、あえてチームプレイを行う点にヨーロッパサッカーの魅力があります。